クロネコは魔女の使い? それとも福猫?

クロネコの特徴や性格は?

クロネコが横切ると不吉なことが起きる」「クロネコが現れるのは災いの前兆」「魔女の使い」そのようなイメージをお持ちの方もいるかと思います。それは中世ヨーロッパの魔女狩りのイメージが強いからでしょう。しかし特徴や性格を知ると、クロネコのイメージが一変するはずです。ここからは、クロネコの特徴から性格を紹介していきます。クロネコのことをよく知ると、きっと印象が変わるはずです。

 

クロネコの特徴

クロネコは文字通り、毛の色が黒い猫のことをいいます。なかには胸の部分に白い被毛がある「エンジェルマーク」を持つクロネコもいます。クロネコには白い部分を持つ猫もいますが、白がある部分によって名前が異なります。黒と白がおおよそ半分半分なら「バイカラー」、足元やお腹の部分のみが白ければ「ミテッド」と呼びます。親猫の両方の遺伝子に「黒色」が入っていなければ産まれてこないので、珍しい色の猫といえるでしょう。目の色は主に「青」「緑」ですが、「金」の色を持つクロネコもいます。短毛種だけではなく、品種によっては長毛種もいます。

クロネコの性格

猫といえば、犬と比べると人にべったりしないイメージを持っている人もいるでしょう。クロネコは真っ黒で暗い所で見ると、目だけが輝いて見えるので不気味に思う人もいるはずです。実はクロネコの性格は甘えん坊で、人懐っこいといわれています。クロネコに対する印象があまりよくないと感じる人もいるでしょう。実際触れ合ってみると「イメージと違う」ということもあるはずです。もちろん猫にも個性があるので、個体差があることに違いはありません。

クロネコの品種・種類

クロネコと一括りに言っても、日本で昔から親しまれてきたものもいれば品種がある血統書付きの猫もいます。ここからは、クロネコの品種について解説をしていきます。

ボンベイ

クロネコといえば「ボンベイ」を真っ先に思い浮かべる人もいるでしょう。猫の品種について詳しい方なら知っている人も多いはずです。ボンベイは「小さなクロヒョウ」と言われるように全身は黒色です。ボンベイとして認められる猫は、白い部分がまったくありません。また目の色は、金と銅を合わせたものが特徴です。筋肉質で短い毛で覆われています。大きさは中型で、一般的な体重は3~5㎏です。ボンベイの性格は優しく穏やかと言われています。親猫のアメリカンショートヘアーとバーミーズの性格も人に懐きやすいので、その性格を受け継いでいるのでしょう。飼い主以外にも懐きやすいので、飼育の難易度は高くはないといえます。

ベンガル

ベンガルはイエネコとベンガルヤマネコを交配してできた品種です。多くのベンガルの毛の色はヒョウ柄です。黒いベンガルが産まれてくる確率は非常に低いものとなっています。黒いベンガルはブラックベンガルといいます。ヤマネコの血を強く引いているため身体能力は高く、活発な品種です。

アメリカンショートヘアー

いわゆる、「アメショー」にも黒い被毛の猫がいます。また、黒白が1対1のバイカラーもいます。毛の色は豊富で、ブルーやレッド、シルバー、ホワイトと多くの種類がいます。名前がアメリカンショートヘアーというだけあって、祖先は多国籍。多くの猫の血を引く、アメリカンな猫です。体系はやや大型で、体重は5~7㎏になります。

ジャパニーズボブテイル

日本が原産国の猫です。しっぽが短く丸い品種です。人気を集めている理由として、一匹の猫の体に色が3種類あることが大きいでしょう。三毛猫という猫です。海外では3色がしっかりしているほど、希少とされ人気があります。黒い招き猫が置物としてあるように、黒い猫は縁起物として古くから日本にいたのでしょう。体重は4㎏ほどの中型です。

クロネコの迷信

クロネコは中世ヨーロッパでは「魔女の使い」とされ、クロネコが横切ると不吉なことが起きると嫌われた時代がありました。中世ヨーロッパでは多くのクロネコが、人々の思い込みによって命を落としてしまいました。しかし日本ではまったく異なる解釈でクロネコは生きていました。クロネコは日本では「福猫」とされています。商売繁盛をもたらすとされ、商人からは親しまれてきました。また、魔よけの意味をもつ猫としても扱われています。特に江戸時代では、「クロネコには結核を払う力がある」というウワサが広がり、クロネコは大変貴重な存在になりました。結核は江戸時代では治療が困難な病だったので、福猫としてクロネコのご利益にあやかろうとしたのでしょう。中世ヨーロッパとはまったく見方が変わりますが、クロネコの持つ不思議なちからを人々は信じていたようです。

クロネコに注目した日がある!

2月22日は語呂合わせで「猫の日」と日本の愛猫家たちの間では言われています。一方で、クロネコのみ注目されている日についてはなじみが薄いでしょう。

クロネコの日として代表される日は2つあります。

黒猫感謝の日

一つは「黒猫感謝の日」です。多くの国でクロネコの印象が悪いというのは事実です。ほかの種類の猫と比べると、クロネコは新しい飼い主、引き取り手が見つからないのが現状です。黒猫感謝の日は、アメリカでSNSを中心に広がりました。保護されたクロネコに新しい家族ができるように、クロネコの悪いイメージがなくなるようにと作られました。SNS上では多くのクロネコの写真が「黒猫感謝の日」の8月17日に投稿されています。

全国黒猫の日

イギリスの動物愛護団体が設立したクロネコの日です。「全国黒猫の日」もクロネコのイメージが悪く、養子縁組が難しいことを解消しようとして設けられました。殺処分数もクロネコが多いのが現状です。全国黒猫の日は10月27日ですが、ハロウィンにクロネコに注目してもらうという狙いがあります。ハロウィンになると、魔女やカボチャ、クロネコをデザインした装飾が目立ちます。その際に、クロネコの悪い評判をなくす。またクロネコ安楽死がとても多いという事実を世の中に知ってもらうというものが「全国黒猫の日」なります。

まとめ

クロネコは世界的に昔からイメージの悪い猫でした。しかし、命を大切にするという観点から「黒猫感謝の日」や「全国黒猫の日」といったクロネコを守る運動も始まっています。クロネコの性格は優しくて甘えん坊ということもあり、飼育のしやすい猫といえるでしょう。クロネコの代表として「ボンベイ」がいますが、日本猫にもクロネコはいます。もしクロネコを家族としてむかえることがあれば、大切にしてほしいものです。きっと福猫として、運を持ってきてくれるでしょう。